探偵の熱量で調査結果は大きく変わる

探偵の熱量で調査結果は大きく変わる

出典: 事件はラブホで起きている
依頼者の話にずっと耳を傾けていると、だんだんと僕の感情が高ぶってきて、ふと上半身に鳥肌が立つような瞬間がある。なんというか、まるで映画のワンシーンのように、自分が登場人物として物語に組み込まれたような感覚……それを第三者の視点から俯瞰して自分を観ている(イメージ的には洋画ね)。そして、こんなことを本気で思ってしまう。 「あぁ……この人と出会い、ここで依頼を受けるために、今日まで僕は探偵を続けてきたんだな……」 なんなら、ちょっと涙が出そうになる……ってか、泣いてる。僕はこの瞬間がたまらなく好きだから、探偵という仕事はやめられない。僕にとっての至高の喜びは、依頼者を通して、圧倒的な人間ドラマに立ち会えることだ。 私立探偵のメリットは、「依頼者を選べること」だとすでに書いた。「それ、ただのワガママじゃん」と思うかもしれないけど、そうじゃない。誤解を恐れずにいえば、「ご縁を感じられない依頼者では肝心な勝負どころで踏ん張りが効かない。見方によっちゃ身も蓋もないけれど、これこそが僕にとっての保険であり、覚悟でもある。探偵の調査の腕って、結局のところ、尾行や張り込みのスキルが高いことじゃなくて、「どれだけ依頼者の心に寄り添えるか」なんだよね。こんなことを言ったら同業者から怒られるかもしれないけど、探偵の現場技術なんて、正直たかが知れている。ドラマに出てくるような天才的なスキルを持つ探偵なんていない。センスのいい人間であれば数ヶ月、平均的な人間でもせいぜい1〜2年もすれば、そこそこできるようになる。じゃあ、あの探偵会社と僕の調査結果に差が生まれるかといえば、現場に立つ探偵の熱量が違うから。 「あの人を救いたい」と思って現場に立つ探偵と、給料は変わらないから早く帰りたい」と思うサラーリマン探偵。安い外注費で買い叩かれている下請け外注業者の探偵とではその熱量の違いが、写真1枚、映像ひとコマ、ひいては調査結果に如実に表れる。 ある探偵会社の社長から言われたことがある。 「なんで小沢君はいまだに自分自身で浮気調査の現場に出てるの? そんなにたくさん依頼が来てるんだから、探偵会社を立ち上げて、自社の調査や外注業者に全部の仕事を振れば、楽して儲け放題でしょ?」お金儲けをしたければ、そうしたほうがいいに決まってる。だけど、それをやったら、僕はお探偵じゃなくて、ただの経営者に成り下がってしまう。僕は、私立探偵として生きていきたい。 だって想像してみてくださいよ。信じていた人から裏切られて、人生最大のピンチに立たされた依頼者さんが人間不信になりながらもさ、藁にもすがる思いで、怪しい職業の筆頭・探偵なんかを信頼してくれるわけよ。もう、こんなチャンスは二度と来ないかもしれない勝負の日に、調査の成功を案じ、ひとりぼっちで、ただひたすら祈っている依頼者さんを思ったら、手抜きの調査なんてできる? いや、絶対できないでしょう。なんとしても証拠を撮ってあげたいって思うもん。 だから、僕はこう決めている。 「この人は、僕に救われたいと思っているか? そして僕は、この人を救いたいと思えているか?」 僕と依頼者のふたつの感情がシンクロすることで、初めて舞台が整う。ここからが僕の仕事のスタートである。 人間、その気になれば「人を助ける」ことって、案外簡単。それよりも「あなたに助けてほしい」と思ってもらえるような人間になることのほうが100倍難しい。だから、自分が助けたいと思っている人が、同時に自分に向けてほしいと思ってくれている状態で、すごくありがたいのだ。

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