出典: 離婚をめぐる法律とトラブル解決相談129
離婚後300日以内に生まれた子の親権者は、 母親であることが法律で決まっています。
民法上、離婚した後に、子どもが生まれた場合には、離婚が成立した後300日以内に生まれた子どもは前夫の子どもとして推定されます(民法772条)。そして、子の出生前に父母が離婚した場合の親権の取扱いについては、「母が行う」とされています(民法819条)。つまり、原則として、親権者となるのは母親です。
しかし、まだ正式に離婚届を提出していない段階で妊娠が発覚したとなると、夫側が「裁判で争ってでも、子どもは自分たちの手で育てる」と強硬に主張してくる可能性はあります。
たしかに、子どもが生まれた後に、両親が話し合って合意すれば、父親が親権者になることもできます(民法819条3項ただし書)。しかし、あなたの方が、話し合いの結果、合意できないとなれば、親権者はあなたのまま代わることはありません。
なお、子どもの親権についての話し合いは出生後に行うことが定められていますので、夫が出生以前に話し合いを求めてきても拒否して、そのまま離婚の手続きを進めることができます。
子どもの出生届は「平成×年×月×日○県○市○町×丁目×番地×で出生母届出入籍」と記載され、子どもは前夫の戸籍に入ることになります。そして、母であるあなたが、子どもの親権者になり、戸籍には「親権者母」と記載されることになります。