出典: 離婚をめぐる法律とトラブル解決相談129
結婚期間も考慮した上でケース・バイ・ケースで判断することになります。
財産分与と同様に、慰謝料の額の算定にあたっても結婚期間の長短は考慮されます。とはいえ、これはケース・バイ・ケースで、 結婚間もないと慰謝料が安く、熟年離婚だと慰謝料額が大きくなるとは限りません。
慰謝料は、離婚の直接的な原因を作った側が、精神的損害を受けた相手に対して支払う損害賠償ですが、損害を被った相手にも責めを負うべき点がある場合、過失相殺 (損害の発生について被害者にも不注意があった場合に損害賠償額を減少させること)されるのが一般的です。このような場合はまず、どちらが離婚原因の根本を作ったのかを探り、これによって相手が額にしてどの程度の損害を受けたかを調べます。こうして両者の過失を比較し、 損害と相殺した上で、慰謝料の額が決定されます。
では、たとえば双方が浮気をしており、どちらが先かはっきりしないなど、離婚の原因がお互いにある場合はどうでしょうか。このような場合はお互いの請求について損害額が減額され(過失相殺といいます)、その結果、どちらにも慰謝料を請求するような損害がないとされれば、慰謝料の問題はなくなります。慰謝料は、このように精神的な損害と過失を夫婦それぞれについて認定して決めるものなのです。