出典: 離婚をめぐる法律とトラブル解決相談129
ヘソクリも夫婦の共有財産として対象となります。
夫婦が離婚するときに、その財産を公平に分配するための制度が「財産分与」です。夫婦は経済的にも協力して生活を営んでいます。財産の形成についても協力して行っているわけですから、 離婚に際しては、協力して築いた財産をすべて公平に分配することになります。財産分与の対象となるのは、夫婦が婚姻中に協力して築いたと評価できる財産です。ですから、結婚前からそれぞれが所有していた財産は対象になりません。たとえば、妻が嫁入り道具として持参したものや、夫が結婚前から所有していた自動車などは対象とはなりません。また、婚姻中でも、各々の親族から相続した財産や他人から贈与された財産のように、夫婦がそれぞれ固有に得た財産は対象外となります。
一方、婚姻中に購入した家財道具などは、共有と推定されます。判断の基準は、実質的に見て、協力して形成した財産かどうかということです。婚姻中に購入した不動産などは夫名義にする場合が多いと思われますが、名義はあまり関係ありません。
ヘソクリについては、ヘソクリが夫婦共同生活を維持するために夫から渡された生活費から出ていたものとすれば、共有財産ということになります。そのため、ヘソクリも財産分与の対象として夫婦で分けるということになるでしょう。